次の成長ドライバーとしてのバイオマス発電事業への投資

世界中の企業が再生可能エネルギーの使用比率を増加させています。アップル、アマゾン、コカ・コーラのみならず鉄鉱石採掘業を営むフォーテスキューをも含む多くの企業が、カーボンニュートラルの達成を目標としています。これは日本も例外ではなく、経済産業省は、2030年までにバイオマスによる発電量を2倍に増やすことを目指す計画を策定しています。

現在62社の日本企業が、企業自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブRE100に参加しています。日本を代表するメーカーであるソニーや富士通、フジフィルム、パナソニックを含む多くの企業が、2040年から2050年までに再生可能エネルギーの使用比率を100%にすることを目指しており、多大な再生可能エネルギーの需要をもたらします。

コロナ禍でペーパーレス化の加速する社会への適応に、北越は遅れをとってきました。北越は現在、製紙業界の中でも成長している段ボール用紙よび衛生用紙の事業に参入しようとしていますが、この分野はすでに競争が激しくなっています。

北越はバイオマス発電事業にリソースを集中させるべきです。政府や企業がカーボンニュートラルを政策に掲げていることから、オアシスはバイオマス発電事業のIRRが15%を超えると考えています。北越は、それを活かすことのできる絶好のポジショニングにいます。同社にはすでに木材チップの調達先およびその輸入に利用している港があり、バイオマス発電事業に関しても2006年から事業投資を行ってきました。エネルギー事業のメリットは同社の競合である日本製紙株式会社(以下「日本製紙」という)の例からも明らかで、コロナ禍の過酷なビジネス環境においても安定した利益の創出が可能です。

バイオマス事業の資金調達は容易であり、利息0.7~0.8%程度の負債を用いて投資を行うことで、同社のROEは著しく向上するとオアシスは考えています。

同社は大王製紙株式会社(以下「大王製紙」という)の株式に多額の投資を行ってきました。しかしながら、オアシスは大王製紙への投資よりもバイオマス発電への投資の方がはるかに良い選択であると考えています。

再生可能エネルギー関連企業は株式市場においてプレミアムで取引されているため、バイオマス発電への投資は北越のマルチプルを加増させると考えられます。

北越がバイオマス発電事業に首尾よく投資できた場合、北越の価値は5,339億円となり、現在の価値から322%の向上の向上が見込まれます。

バイオマス発電事業を強化することは、北越グループの企業理念にも調和します:

“私たちは人間本位の企業として、自然との共生のもと技術を高め最高のものづくりによって、世界の人々の豊かな暮らしに貢献します。”

バイオマス発電のプロジェクトは稼働までに時間を要することから、オアシスは北越に対し、この機会をものにするためにも直ちに着手するよう要請いたします。